Aug 17, 2011

ドラゴンネストの楽しみ

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 【モスクワ=遠藤良介】ウクライナからの報道によると、同国の親欧米派、ティモシェンコ前首相(50)がロシアからの天然ガス輸入取引をめぐって職権乱用罪に問われた裁判で、キエフの地区裁判所は11日、前首相を禁錮7年とする求刑通りの実刑判決を言い渡した。欧米諸国は裁判がヤヌコビッチ大統領による政敵排除の試みだとみており、有罪判決が確定した場合、欧米との関係悪化は必至だ。

 判決は、ティモシェンコ氏が首相だった2009年1月、ロシアから不当に高い価格で天然ガスを輸入することに合意し、ウクライナの国営石油・天然ガス企業に15億フリブナ(約142億円)の損害を与えたと認定した。

 裁判所はティモシェンコ氏が3年間、国家機関での公職に就くことを禁じたほか、15億フリブナの弁済を命じた。ティモシェンコ氏側は控訴する方針だ。

 欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表は同日、「EUは対ウクライナ政策を熟考することになろう」と判決を非難する声明を出し、ウクライナとの間で進められている「自由貿易協定」の締結交渉などに影響が出るとの見方を示した。

 また、ロシア外務省も同日の声明で、裁判には「明らかに反ロシア的な意味がある」と不快感を表明。ロシアは、この裁判がヤヌコビッチ政権による天然ガス価格引き下げを狙った“恫喝(どうかつ)”だと受け止めている。

 ティモシェンコ氏は04年に親欧米の前政権を誕生させた「オレンジ革命」の立役者。10年2月の大統領選でヤヌコビッチ氏に僅差で敗れた。親露派とされていたヤヌコビッチ氏は大統領就任後、欧州への接近路線に転じた経緯があり、裁判の行方によってはウクライナがEUとロシアの双方と関係を悪化させて孤立する可能性もある。

 ティモシェンコ氏は判決について「(旧ソ連・スターリンの大粛清が吹き荒れた)1937年が戻ってきた」と記者団に述べた。

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【湯浅博の世界読解】

 1996年の台湾総統選挙に対して、中国はミサイル発射演習で恫喝(どうかつ)した。このとき、米国は2組の空母戦闘群を派遣して、あっという間に中国を黙らせた。冷戦後の国際社会では、米国という最強の超大国にあらがえる国家は存在しなかったからだ。

 あれから15年が過ぎた。この間に中国は、すさまじい勢いで軍備増強をはかった。潜水艦も戦闘機も、カネにあかせて購入しては模倣した。後発国が先進軍事技術をモノにする際の“カエル跳び戦略”である。

 その結果、2010年の米国防総省の4年に1度の国防計画見直し(QDR)では、中国が「米軍に対して脅威を与える存在」と認識するようになった。東シナ海を「中国の海」とし、南西諸島を第1列島線として米軍を迎え撃つ中国の「接近・領域拒否」(A2AD)戦略を指している。

 そして、つい先ごろ、米国は台湾防衛に欠かせない新型F16戦闘機の売却を見送る決定をせざるを得なかった。オバマ政権は「F16の改良型で十分」と釈明するが、むしろ、中国の顔色を見ながらその圧力に屈したとの印象が強い。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは米国が売却を決めたF16改良型はエンジンが古く「台湾海峡の軍事バランスで台湾に不利な決定だった」と断じた。しかし、決定はそれだけで済まない。

 日本外交筋は米国の大幅譲歩によって「中国の興隆、米国の衰退」をアジア太平洋の同盟国や友好国に印象づけてしまったと語る。しかも、中国軍の傲慢なナショナリズムを制御することが困難になる。

 中台関係についていえば、以前からささやかれていたいやなシナリオが現実味を帯びてくる。来年1月に予定される台湾総統選挙で、もし馬英九総統が再選されると妙な気を起こさないかとの懸念だ。

 台湾総統の任期は2期8年だから、2期目になると歴史に名を残したいとの色気が出る。他方、中国の胡錦濤国家主席もやはり来年秋の共産党大会で任期切れになるので、やはり歴史を意識する。

 いやなシナリオとは、中台が一体化する“国共合作”への道筋である。そうした微妙な時に、台湾防衛に対する米国の信頼が揺らぐと、悪夢のシナリオが現実味を増してくるのだ。

 この懸念を払拭するように、馬総統は10日の辛亥革命を記念する双十節式典で、中国に対して「自由で民主的で富める国家を実現することを忘れてはいけない」と呼びかけた。

 中国の胡主席が前日に「平和的な統一」を訴えたことに、民主化が前提であることをぶつけた格好だ。台湾住民の大半が中台統一に反対していることを意識してのことだろう。選挙後まで、それが継続することを願う。可能にするのは米国である。

 オバマ政権は国防予算を向こう10年間のうちに1兆ドル削減する可能性が伝えられる。大統領は先月19日の演説で7月の与野党合意にある財政赤字の削減額1・5兆ドルを、さらに積み増して3兆ドルにすることを提案した。

 そうなると、国防費の大幅削減は避けられず、中国の興隆に備え、テロを防止する米国の国防方針が危うくなる。米国議会が国防費の削減策を放ってはいまいが、オバマ政権の出方が西太平洋の対中バランスを変えかねない。(東京特派員)

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